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100キロを5日かけて歩いた日

まほろちゃんの投稿で、9年前の懐かしい写真と遭遇! https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=3761977160538502&id=100001787661800

私は9年前の昨日、札幌大通公園から泊原発まで100キロを5日間かけて歩くチャレンジを完了したのだ。 仲間が事前に手配してくれたおかげで、途上にあるいろんなお寺にみんなで一晩ずつ泊めてもらい、アラヤタツロウくんのギターと歌に合わせ、みんなで歌いながら歩いた『電気の道をさかのぼる さっぽろ~泊ピースウォーク』の体験は、私の人生の忘れられないまぶしい思い出だ。

泊原発に到着した時、多くの人に支えられながら仲間と歩き続けた感謝と達成感がマックスで「人類みな兄弟モード」になっていた私は、 施設の外に緊張した様子で並び私たちの到着に備えていた原発職員のおじさんたちを見て、思わず「迎えてくださってありがとうございます~!!」と言って駆け寄り、ハグしちゃったんだっけなぁ…(職員氏は「わ…わたしは…」とアワアワしながら棒立ちでハグされてくれてたっけ…笑)

2011年3月11日の東日本大震災と福島原発の事故を機に、2012年5月5日には42年ぶりに全国(19発電所・計59基)の全原発が停止。2021年3月現在はそのうちの5発電所の9基が再稼働中だが、泊原発は動いていない。 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00967/

あの5日間で、私は人体に秘められた超越的なパワーや、仲間がいることの心強さや安心感、みんなで歌えば心一つになって困難も楽しく乗り越えられること…を、全身全霊で体感した。

ウォーク2日目は足や体中の痛みがマックスになりギブアップしそうだったが、一緒に歩いた理学療法士の友人が、「モモを上げ腕を大きく振るといいよ」と教えてくれたおかげで、3日目はグッとラクに歩けるようになり、最終日には体が歩くことに慣れ、持続的な高揚感とともにアドレナリンも潤滑にあふれ出ていて、もう永遠に歩き続けられる氣がするほどだった。

でっかい海や川を見晴らしながら歩いた橋の上、 暴力的な音とスピードで横を走り去る車に全身がこわばったトンネルの中、 木々に包まれた山道に立ち込めていた緑の匂い、 コンクリ道から土の道に変わったとき靴底を通して足の裏に感じたやわらかさ、 ギネス級のスタミナでギターをかき鳴らしながら歌い続けるタツロウくんの歌声と、それに励まされ続くみんなと自分の歌声… 記憶の焦点をあの日々に合わせれば、今もありありと一つ一つのシーンがよみがえってくる。 帰りは5日間歩いた道を車に乗せてもらい、あんなに長く濃密だった距離と時間を幻のようにワープし数時間で札幌に着いた時は、玉手箱を開けてしまった浦島太郎のような氣分で呆然としたが、 私の心と体には「いざとなったらどこまでも歩いて行けるんだ」という揺るがぬ自信が新しい太陽のようにどっかりと宿り、今も胸の真ん中でひっそりしっかり燃え続けている。

放射能汚染、ウイルス&ワクチン問題、テロ、虐殺、自然破壊、格差問題、プラスチック問題……この世は相変わらず目や耳を覆いたくなる問題が山積みだが、 結局みんな人間の意志と意識がやっていることだから、人間の意志と意識によって変えていくこともできるのだ。あの日私たちが、やる前は途方もない挑戦に思えたことを、みんなでイキイキとやり遂げることができたように。

あの日の写真を見、5日間のいろんな出来事を思い出しながら、あらためてそう思った。 やったことがないからできないと思っているだけで、たぶん実際は、やればできることだらけなのだ。

♪アラヤタツロウ「あたりまえの毎日に」



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